弧が広げる視線の先で、日常はどこまでも深くなる。
この建築のテーマは、「研ぎ澄まされたミニマリズムと、曲線が紡ぐ有機的モダン」です。
無駄を削ぎ落とした直線主体の空間に、美しい「弧」の造形と木の温もりを交差させ、シャープさと柔らかさが共存する佇まいを追求しました。
この住宅の最大のアイコンとも言えるのが、吹き抜け部分にあしらったアール(曲線)を描く木製ルーバーのスクリーンです。
通常、吹き抜けは直線で構成されがちですが、あえて大胆なカーブを描くルーバーにすることで、空間にダイナミックな動きと柔らかさを与えました。
2階からの視線を優しく遮りつつ、光と気配は通すという機能性も持たせています。

リビングスペースでは、限られた面積以上の広がりを感じられるよう、視覚的なマジックを仕掛けました。
大型の壁面ミラーは、空間を映し出すことで、まるで奥にもう一つ部屋が続いているかのような錯覚を生み出します。

無駄を削ぎ落としたミニマルな意匠、空間をダイナミックに彩る美しい弧、そして緻密に計算された光と視線の抜け。
この住まいは、単に機能的で美しい建築であることにとどまらず、そこに暮らす人の心がいつでも自然体で、深く満たされる場所を目指して設計されました。
朝の光が木製ルーバーを抜けて床に落とす陰影、夕暮れ時のエントランスに漂う静かな情緒。
時間の移ろいとともに表情を変えるこの舞台で、ご家族の日常がどこまでも豊かに、深く紡がれていくことを願っています。

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